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人民元レートを下げるとなぜ中国危機が心配されるのだろう?少しだけ調べてみた。

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最近、中国危機に関する記事が最近多い。IMFの特別引出権への採用が決まり世界の主要通貨になったとか、人民元のレートの引き下げが起きるとなぜそんなに世間は騒ぐのだろうか?適当に新聞を読んでしまうと、「これから中国の景気が悪くなるんだろーなー」とか、「金融市場を皮切りに金融危機がまた起きるのかなー」とかその程度しか考えない。

中国政府が人民元レートを下げることは何が問題なのか?どう中国危機に繋がるのか?ここまでの過程がいまいちよくわかっていないのでニュースが読めなくなる。問題を整理するためにできる範囲で調べてみた。

そもそも中国って景気いいんじゃないの?

中国は貿易黒字である。世界経済のネタ帳の経常収支推移を見るとリーマンショック前ぐらいまで回復してきている。

貿易収支成長率はものすごい:2011年1361億ドルで2015年には3477億ドルと4年間で250%以上伸びている。「景気よさそうじゃん」となるが、なんで人民元レート下げる必要あんの?と疑問がでてくる。そこには3つの問題があった。

 

問題1: 主要産業は莫大な過剰生産能力を抱えている。

高度経済成長期に企業が強気の設備投資をし、中国の主要産業、鉄鋼、アルミ、家電、自動車などで余剰設備ができあがった。政府は2008年の世界金融危機の時に需要を増やそうと財政出動し高速鉄道、空港、団地などの建設などを行ったが需要創出は限界があった。

過剰であれば減らせばいい。でもそうすると余剰設備の削減、企業淘汰・集約が起きリストラされる労働者が増え、景気わるくなる。合法的に解決する方法は「じゃー海外に売ればよくね」となり「そうしよう!」となる。その結果、海外輸出が増えた。鉄鋼輸出などは2倍になっている。

問題2:貿易赤字

「海外で売れれば問題解決じゃん!」と思うのだが、ここで人民元の問題が発生する。海外で売った商品をレートの高い人民元に変えると鉄鋼メーカーは貿易赤字になる。例えば、USドルと日本円で考えるなら、1ドル100円であれば、海外で稼いだ1ドルを円に換金しても100円。しかし1ドル80円だと20円分損をする。これが莫大な金額になると1億売って2000万失う。もし利益率が20%だとすると、その時点で利益なし。チーンってなる。

ここで中国主要企業が儲からないなら「レートを変えてしまえばいい!!」ってなるわけだ。レートは人民銀行のボタン一つで変えられるもの。儲かるラインまで下げちゃえーと思うがここで次の問題がでてくる。

問題3:キャピタルフライト

「よっしゃーじゃー必要な分だけ人民元レート下げちゃおー!」となった時に次の問題が起きる。「政府がレート下げる前に人民元を売っちまおう!」と思っている人民元保有者が沢山いるからだ。理由の一つに先ほどの貿易黒字がある。貿易黒字は輸出量が輸入量を上回ると起きる。中国の場合、人民元高の為、輸入が極端に減った為に起きている貿易黒字らしく、健全な黒字ではない。そのため自分の持つ資産価値が下がる前に売ろうと思う人が沢山いるのだ。だからキャピタルフライト(資本逃避)が起きる。※キャピタルフライトが起きる他の理由も沢山あるが難しかったので一旦省略。

過去タイ、インドネシア、韓国などは為替変動に伴うキャピタルフライトの影響で金融危機を起こしている。こうしたリスクが中国にもあるということだ。

「ふーっ、やっとぼんやりイメージが見えてきた。」だから既に経済を先読みしている中国人は日本や海外で不動産などの資産を購入したりしているのか。人民元高の間に買い物しようと「爆買い」なんて現象も起きているが、人民元レートが暴落したら終焉を迎えるだろう。

これ以上掘り下げると大変なので一旦このくらいで終わりにしたい。次は原油安に関する部分を調べたい。