僕はこの夏から大学院(ビジネススクール)に勤めているので毎日本気で勉強に励む大人を見る。やはり社会人が実践に活かそうと勉強している姿はエネルギーをやモチベーションを感じるので毎日パワーをもらえる。大人がこうやって学べる場がもっとあればいいなーなんて思い、日本の大学院の数を調べてみたら623もあった。ビジネススクールの様に実践力を鍛える場と研究をする場では異なるとは思うが、これらの場を有効活用していくことはキャリアチェンジや能力開発をする上で悪い考えではないように思える。
アメリカにいた時も僕の周りにいた多くの学生は大学を卒業後、大学院に進学することが多かった。大学院はもちろんストレートに学部から進む人もいれば社会人経験を積んだあとに行くケースもある。アメリカで歴史のある企業やテックカンパニーなどはマネージャーになるためにそもそもMBAを取得しなければならないと明確に示している企業もあったりする。
大学進学率
大学院に進学するには大学を卒業している必要がある。ではいったいどのくらいの人が大学を卒業しているのか見てみると、大学学部への進学率は
- 平成16年42%、
- 平成26年51%。
- ※その他平成26年進学率:高校への進学率98.4% 学部進学率51% 短期大学5.2% 専修学校25%
こんな感じだった。皆高校には行くけど大学は半分くらいしか進学していない様だ。
出所文科省統計:http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1356065.htm
感覚値ではもっと4年生大学に進学する人が多いと思っていたが意外と50%程しか進学していなかった。その中で限られた人だけが大学院で学ぼうと考えることになる。僕はビジネススクールで働くことが決まった段階でこの学歴によっては進学のチャンスがないことが引っかかっていた。すると隣に座る僕のボスが「事前資格審査があるよ〜」と教えてくれた。
事前資格審査とは
文科省の定める修士課程・博士課程(前期)の入学資格についてこんな一文がある
「大学院において個別の入学資格審査により認めた者(施行規則第155条第1項第8号)」
これは専門卒や短大卒などの大卒以外の場合、大学卒業と同等以上の学力が認められれば、大学院入試の出願資格を得ることができるというものだ。
この制度がある大学院であれば、専門学校卒でも短大卒でも入試ができる可能性があり修士やMBAを取得しハイレベルな環境で学ぶことができる。極端な話、高卒でも普段の仕事や自分で学んできたことが大学卒業レベルだと証明できれば大学院に入学できるのだ。
ただこんな情報にたどり着く人は殆どいないと思う。普通自分が大学を卒業していなければ大学院についてそもそも調べたりしなから。僕がもし24歳の頃にその制度に気づいていたら、もしかしたらアメリカには行ってなかったかもしれない。
留学よりも現実的で学費も300万〜400万程で留学よりかは費用が抑えられる。今ならハローワークの教育訓練給付金など使えば最大96万程補助がでる。
どんなことすんの?
その資格審査ってどんなことすんの?ってところがまた学校によって異なるのでなんとも準備しづらく難しい。いくつか例を出してみる。
- グロービス経営大学院:書類審査+資格審査試験(60分間の筆記試験)
- 早稲田ビジネススクール:所定のフォームに経歴等を記載し書類審査
- 名古屋商科大学大学院:社会人大学にて単位習得 or 書類審査(経歴書、職務経歴書、卒業証明書、成績証明書)
こんな感じ。詳細はそれぞれの大学院に問い合わせするしかないが、どうせ受からないと諦めることなく応募してみる価値はありそうだ。そして審査はすべて無料なので最悪ダメなら来年挑めばいい。
学歴とか関係なく多くの人が仕事を実際に始めてから人生を見つめなおしたり、家族が出来てから本気でライフプラン考えたりすることは多いと思う。50%程も学部進学してない中で、僕の様に「大学院はそもそも大学卒業してないとダメだしなー」なんて思っている人が他にも多くいるのではないだろうか。もし「どこかで学びたいなー」と思っていたとしたら、大学院も一つの候補としてあり得るのだということを知って貰えたら嬉しい。