今まで僕が知り合った意識高くて、自分を変えていく人って常に危機感を持っていた。でも、やらなかいけないなーと危機感を持っていても行動に繋がらないときの方が大半だと思う。どうやったら危機感が高まるかを振り返ったことがある。自分の経験も含め、危機感を行動に繋げた人の例を思い出してみた。
僕がその危機意識を高めた大きなきっかけはリーマン・ショックであった。ペーペー営業は気合と根性で数字を作っていたが、尋常じゃない金融危機の影響で普通の案件はすべてキャンセルになった。僕は当時、CADというシステムの使いこなせるエンジニアを製造業の設計開発部門へ派遣することがメインのミッションだった。派遣労働者の削減は企業が真っ先に取り組んだ施策で、仕事を失った労働者が日比谷公園に集まり年越し派遣村ができたことが派遣営業にとっての厳しさを表している。そんな中でも電気自動車などコア技術に関する案件を持っていた先輩は成績を残していた。僕と先輩の圧倒的な違いはなんだろう。今の僕がこのまま成長しても彼らのようにはなれないことが強い危機感となっていた。このままではまずい。今から何か準備しなければ。この危機意識が「変わろう」と思う最初の動機であった。
ある女性の例では目の病気があることが発覚した。将来的には目が見えなくなるかもしれない。そう思い見えるうちに好きなことをしなければと行動に移し海外で働いてみたいという彼女の夢を叶えるため行動に移した。そこから改めて英語を勉強し、海外のビジネススクールで学び現地の投資銀行でインターンシップをするなど、キャリアを大きく変更した。現在では、プライベート・エクイティファンドで証券アナリストとして働いている。
僕が尊敬する、建築士の先輩は東日本大震災の影響で危機感を強め行動した。彼は東京大学で建築を学び大学院を卒業しプロとして建築に携わっていた。洗練されたデザインや住みやすい設計など実現できるように全力で仕事をしていた。しかし、東日本大震災によって、エネルギーをサステイナブルに活用した生活を実現することが重要度を高めたそうだ。それからサステイナブルデザインを学ぶためにアメリカで学んだ。自然災害が仕事の仕方に大きな影響を与えた。
この3つの例には共通点がある。強い危機感を持つほどの強烈な経験が突発的に発生したことだ。これほど強い危機感を持つのは難しい。でも自ら行動できるほどの危機感を持つまで待つことはできない。できることは2つ。危機感をもう少し高め自ら行動につなげる。誰かに行動できるように背中を押してもらう。
僕が危機感を少し高める時に使うのは、非日常を経験できるようにすること。一番簡単なのは僕の場合、海外に行く、もしくはまったく異なる世界を知るために動画や本を読む。危機感を感じても普通に戻ってしまうのは、僕の場合「安定」があると思う。だからなるべく自分自身でふと考えるきっかけになるためのゆらぎを作る。ひどい環境を見て高まる危機感もあるし、技術を駆使して努力している起業家を見て、自分は遅れていると危機感を感じることもある。なかなか危機感なんて高まらないけど、少しでも自分をドライブかけるきかっけを作るために非日常とふれあうようにしている。
もう一つは誰かに背中を押してもらいやすい環境に自分が飛び込むことだと思う。僕はグロービスで働いていて、危機感は持っているけれど、学ばなきゃいけないことはわかっているけれど、なんだか一歩進められない人がいることを知った。とってもささいなことだけれど、少し背中を押すことができるだけで、人は行動できることも知った。それは友人だったり、先輩、営業マン、セミナー、ネットの記事いろんなものがある。行動したいけどなかなかできない時には自分の考えに肯定してくれそうな仲間に会うなどするだけでも行動を早めることができると思う。
危機感を感じることは自分を奮い立たせるためにとても重要なファクターだ。それを自然に感じることができる人もいるがそれは幸運なこと。危機感があっても行動できないことが普通なんだと思う。なんとか行動して自身を変えるために、ささいなことから工夫することが大切なんだということを学んだ。