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学校の価値は教わることではなく、圧力を跳ね返す場であること

自分を変えたい!具体的には論理性と先見性、学び取る能力を養いたい!そう思ってフルタイムの学生になることを24歳の時に決めた。最終的には世界一の公立大学UC Berkeleyという大学を卒業した。その結果わかったことは、僕にとっての学校の価値はプレッシャー(圧力)を販売しているところだと思う。

僕の元々持っていた学校とは何かを教えてくれるところであった。でもそれは本来の価値ではないことに世界の名門校で学ぶことで気づいた。トップ校は常にその学校の評判やブランドを元に世界中から沢山の学生を募集する。学生達は学力があることはもちろんだが、Mental toughness の高い人が多かった。トップスクールでは必ずとんでもないボリュームの宿題や課題をやらされる。そのボリュームをこなすにあたって、普通にやっていてはダメだ、もっと効率よくやらなければと頭を使うようになる。また、学び方も時間の投入仕方も異なっていく。このように自発的に行動したいと思わせる環境や仕組みを整えること、それに応えることができるタフさを持つ学生を世界中から集められる集客力があるこの2つが重なって価値が最大化するように思う。

アメリカの大学すべてがいいわけでは当然ない。少しレベルの落ちる大学では、大したボリュームを学ぶことはない。コミュニティ・カレッジでもそれは同じである。実際に勉強している時はそれはもう大変だったが、絶対に無理だなと思う程の量を出されることは稀だ。もしそういった大学で過大な量の宿題を出すと生徒はついてこない。落第する学生が増える。結果的にクレームに繋がることもある。プレッシャーを与え、授業で発言させ学生の能力を引き出するのは簡単ではない。講義をするだけの教えることに徹するのは簡単だ。一方でトップ校の場合は、講師は質問を投げかけることに力をいれる。授業で学ぶようなことは事前に教科書などで学ぶことができる。それだけでなく、関係する背景や歴史についての書籍を数冊読み込み講義に挑む。それによってアクティブラーニングが成立する。講師の様々な角度の質問に対して複数の変数を使って返答することができるようになる。それによって自分では見えていなかった視点に気づくなど一人で学ぶ以上に価値のある学びがある。

そしてその先に僕達がやることは、自分たちの考えやリサーチで自分なりに事象を表現したり説明しようと何かを創出する活動に時間を費やすようになる。そのためには、教授やティーチャーアシスタントなどにこちらから質問したり、助言を求めるのだ。答えのある議題ではないので、教授の助言も「そのテーマであれば、この書籍が役に立つかもしれない」とか「こんな研究が過去にあった」など過去の知恵を共有してくれるだけで、あとは議論を一緒にしてくれる。それだけだ。

留学の計画を立てた段階では学校の価値がプレッシャーを買うことであることなど当然気づいてなかった。しかし、真の学校の価値は自分一人では作ることのできないような強いプレッシャーをくらうこと。それを跳ね除けようと努力することで、限界以上の能力を作ろうと行動することができ、次第に変わっていく。結果的に変わるのだと思う。